労災事故は自動車保険と労災保険のどちらから給付される?

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例えば通勤中や仕事中に自動車を運転していて事故に遭った場合、自分が被害者なら加害者の保険会社に損害賠償請求ができますし、労災保険にも請求することができます。しかしこの場合、どちらに請求すれば良いかわからないという場合もあるでしょう。
どちらにも請求が可能ならと、相手の保険会社と労災保険のどちらにも請求した場合には損害のてん補を重複して受けることになります。
損害保険は実損てん補方式になっていますので、損害額以上の保険金は支払われません。そのため、重複して損害のてん補を受け取っている場合には求償と控除など支払いの調整が行われることになります。

求償とはどのような方法?
被害者に対して先に労災保険から給付が行われた場合には、政府が加害者に対する損害賠償請求権を労災保険の給付の価額の限度で取得して請求権を行使します。
この求償の範囲は加害者に対する損害賠償請求権のすべてではなく、労災保険から給付される損害賠償分です。加害者に対する損害賠償請求可能額の中で労災保険から給付されることになる損害分の合計額と、労災保険給付額を比較し、低い額が求償されます。

慰謝料や修理代はどうなる?
例えば慰謝料や物損の修理費は加害者に対しての損害賠償請求権に含まれますが、労災保険からの給付対象ではありませんので、これらの費用を除いた損害賠償分での請求権を政府が取得し行使するという形になります。

控除とは?
被害者に対して先に自賠責保険や対人賠償保険など自動車保険から保険金が支払われた場合には、その価額の限度で労災保険からは給付されません。
この控除の範囲も被害者が受けた損害賠償請求可能額から労災保険から給付される分だけです。
この分について、既に自動車保険から支払われた額が労災保険給付額を上回っている場合には労災保険からの給付はありません。
反対に労災保険からの給付の額を下回っている場合には、差額分のみが労災保険から支給されます。

求償や控除の対象は労災保険から給付される損害項目のみ
この求償や控除は、労災保険から給付される損害項目が対象になりますので、労災保険から補償されない慰謝料や特別支給金などは求償も控除も行われず、該当しないものは全額受け取ることができます。
なお、慰謝料の支払いを受ける際には民事上の損害賠償請求を行うことになります。休業損害なども労災保険から給付されるのは平均賃金の6割ですので、損害賠償請求によって不足の4割について請求することは可能です。
また、労災保険での年金払いの給付については3年が限度で求償と控除が行われます。3年を超えると年金額と保険金を重複して受け取ることが可能になることも知っておくと良いでしょう。

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