地震保険は分譲マンションにも必要だと考えられる理由は?

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分譲マンションで地震保険に加入しようと考えた場合には、共用部分と専有部分のうち各世帯で加入の判断が可能な専有部分の加入を検討しましょう。地震が発生してもマンションは建物が丈夫だから被害は少なくて安心だと思うかもしれません。しかし建物自体にはそれほど被害が見られなくても、専有部分の室内では家具の転倒やガラスの飛散、断水、停電などが起こり生活できなくなる状況が続くこともあります。

 

地震が起因の火災は火災保険で補償されない

散乱した室内の片付けが終わって生活を再開するまでの費用について、地震保険に加入していなければ公的援助が出るまでは貯蓄で賄っていくことになるでしょう。そして停電状態から復旧した時に、電源が入ったままの家電やガス器具などから発火する通電火災が起こる場合もあります。地震災害で怖いのはこの復旧時に起こる通電火災ですが、火災が起きても原因が地震に起因するもののため火災保険のみの加入では補償されません。

マンションは消防の手が届きにくい

地震が発生した場合にマンションに火災が起きても、消防の助けが届きにくいことも注意しておきましょう。マンションの高層階まではしごが届くはしご車について、各自治体の保有台数は1台、多くても数台でしょう。火災が同時多発的に起きた場合には、類焼の可能性が高い非耐火建物の消火を優先させることが多くなるため、マンションなど耐火建物の消火は後回しになる可能性もあります。

共用部分の地震保険は?

共用部分については、マンションの管理組合が火災保険に加入しているでしょう。ただし地震保険の加入は管理組合の合意が必要です。地震保険料を管理組合が負担すると修繕積立金が高くなることや、主要構造部分の被害は限定的であるだろうという考え方から、共用部分に対して地震保険に加入しているマンション管理組合の割合は2012年日本損害保険協会によると約35%ということです。

地震保険は生活再建のため保険

地震保険の保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲内で、加入していても地震災害による損害額の全額がカバーされるわけではありません。地震保険は地震災害での損害の支出を補って生活の再建を助ける保険だということを理解しましょう。

構造上安全だと思っていても…

耐震構造や免震構造だから安心だと思っていても、巨大地震が発生すれば実際にどのような形で損害が発生するかはわかりません。タワーマンションなど特殊な構造のマンションは設計上安全だと言われていますが、年月の経過により始めてわかることもあるかもしれません。分譲マンションに住む人が安心して生活するためには、地震災害による被害で想定外の損害支出が発生し、家計が破綻してしまわないように支えとして加入を検討しましょう。

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