地震の体感とは?気象庁の発表と体感する揺れはなぜ違う?

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他国での震度階級の決め方は観測員が被害状況と体感で判断するという方法ですが、日本の場合は震度計が地震波から自動的に震度を決めています。

地震の震度は体感判定から機械判定に

気象庁は1884年から130年以上という長い年月にわたって震度観測を実施していますが、1996年4月1日までは体感による観測を行っていたようです。

しかし現在では5,000という数の観測点で、デジタルの震度計を使用しての観測が実施されています。

体感判定から機械判定になった理由

震度6や7 の判定が体感では難しいことで発表が遅れがちになってしまったことが、体感判定から機械判定になった理由です。

地震後の対応に遅れが出ることに繋がることを懸念してという理由が一番でしょう。

同様に震度5と6では被害程度の幅が広いため判定が難しかったようですが、5弱、5強、6弱、6強というように分類することで判定がしやすくなったようです。

発表された震度に間違いはない?

震度の判定と実際に体感として受けた印象が違う場合もあるかもしれません。

例えば高層マンションの下階層と上階層では同じ場所で同じ震度のはずでも揺れの感じ方が違ってきます。

そして木造の一軒家の場合や、鉄骨造り、鉄筋コンクリートと構造の違いによっても揺れの感じ方は大きく違ってくるでしょう。

耐震住宅にしたはずなのに?

耐震住宅の場合でも、耐震、制震、免震と構造に種類があるため、どの種類の構造を選択するかによって地震が発生した時の揺れの体感が違ってきます。

例えば耐震構造の住宅の場合は建物自体の強さによって地震エネルギーを吸収する仕組みになっていますし、制震構造の場合も揺れを吸収する仕組みになっています。

免震構造の場合には基礎から浮き上がった構造のため、台風などの強風でも揺れることがある構造になっており地盤が軟弱な場合には被害が大きくなることも予想される構造です。

どの耐震住宅のタイプなのかによってメリット部分が違うため、揺れの体感度も違っています。

耐震基準導入以降の建物?

1981年に耐震基準が大きく改正されたことから、これ以前の建物は旧耐震基準の建物で中地震には耐えられても大地震に対しての確認はされていない基準になっています。

そのためそれ以降の新耐震基準による建築がされているか、もしくは耐震診断をしっかりと行った建物かによっても揺れの体感は違ってきます。

想定より揺れが大きく感じられても慌てないで行動を

発表されている震度よりも体感した揺れのほうが大きいという場合もあるでしょうが、その場合にも焦らず慌てずに状況をまず確認して行動しましょう。

そして自分の家の耐震性などについても事前に知っておく必要がありますが、2016年4月に発生した熊本地震では新耐震基準導入以降に建てられた住宅も多く倒壊してしまいました。

新耐震基準に対応している建物でも安心できない状況ですので、必ず地震に対しての備えは日常から行っておきましょう。

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