自動車保険の「全損扱い」とはどのような状態?

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車が事故で全損してしまったと聞くと、骨格が大きく折れ曲ったりエンジンが大きな損傷を受けてもう修復できない状態を想像してしまうかもしれません。たしかにそれも全損なのですが、他にも全損の扱いになるケースがあります。事故で車が全損扱いになった場合には、修理費用と車両の時価額の差が問題になることが多いのですが、車両の時価額は車種や年式によって変わってきます。

 

 

全損には二通りの考え方がある

全損には、修理が不可能な状態である物理的全損と、「修理費>車両時価額+車検残存費+車両購入費+解体(抹消登録)費用等」といったように時価額よりも修理代が上回る経済的全損の2通りがあります。 

自動車保険で全損扱いになるケース

自動車保険では損害の程度を「全損」と「分損」という言葉で表現します。全損扱いになるのは次のケースです。

・車が修理不可能なほど大きな破損をした状態
・修理費用が車両保険金額を上回る場合
・車が盗難に遭った場合

一方の分損は、修理可能な損害で修理代が車両保険金額内で収まる場合です。

車両保険金額の決め方は?

車両保険金額については、それぞれの保険会社が設定した車両の時価額、再調達価額を基にして算出しています。

時価とはどんな価格?

車が事故に遭う直前の価格で、同じ車種・年式・型式・使用状態・走行距離の条件に合った車を中古車市場で買う時の価格です。

・新車登録後1か月以内の場合
減価償却定率法に基づいて時価を算出します。

・新車登録後1か月~1年間の場合
減価償却定率法で算出する方法が考えられ、経過月数定率法未償却残存率表を使用して算出します。

・新車登録後1~7年の場合
この段階になると中古車市場で多く取引されていますので安定した中古車価格を確認することが可能です。
時価額の妥当性を知りたいなら「有限会社オートガイド社」が毎月発行する「オートガイド自動車価格月報」を確認すると良いでしょう。

・新車登録後8年以上の場合
税法上の減価償却については、軽四輪4年、その他乗用車6年、貨物トラックの場合はダンプ式4年、その他のトラック5年で償却されます。償却後の残価については新車購入価格の10%で、以降は何年経過しても10%ですが実態に合いませんので中古車情報誌により算出することになります。

新車でもいずれは全損扱いの可能性が?

自動車保険の全損扱いはもう修理ができないくらい損傷している状態だけでなく、車両の時価額を上回る修理費がかかる状態も含まれます。この全損扱いの場合には、保険会社から支払われるのは保険金額の上限金額までか車両の時価額のため差額は自費で支払うことになるでしょう。新車の時は200万円だった場合でも毎年減価償却されていき、期間が空いてから事故が起きれば全損扱いになる可能性もあることを理解しておきましょう。

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